日本生殖免疫学会

理事長からのご挨拶

理事長からのご挨拶

① 生殖免疫学への誘い
~これから始められる研究者の方々へ~

 「生殖免疫学」は、文字通り、「生殖と免疫の連関」を探求する学問になります。「生殖」は種の保存を担う生命の定義そのものであり、「免疫」は個または種のアイデンティティを確立する大切な仕組みであります。したがって、「生殖免疫学」は、ある意味、生命科学の根幹をなす学問領域といえるのではないでしょうか。
観察の「場」としては生殖細胞、生殖腺、生殖路、胎盤、免疫担当細胞および免疫器官など、「現象」としては受精、着床、妊娠、不妊、避妊、不育症、早産、感染症、がん、自己免疫、子宮内膜症、妊娠高血圧症候群および性差などが研究対象となり、その裾野は極めて広いです。「生殖と免疫」という生命のふたつの根本的システム間の調節機構、その失調・破綻による各種疾患、さらにそれらの治療や予防などの研究を、学生・大学院生から教授まで同じ土俵で議論し互いの向上を目指すのが本学会の創設時代からのスタイルになっております。さらに、本学会が多様性を含有し厚みのある会を目指すためにも、生物系、農学系、水産学系、基礎医学系から臨床医学系に至る様々な分野の方々の新たなる参入を本学会は心より歓迎し、新たなる「生殖免疫学」の展開を日本から発信していければと存じます。
英文専門誌としてはJournal of Reproductive Immunology(JRI)とAmerican Journal of Reproductive Immunology (AJRI)があり、Impact Factor 3.5前後を推移しております。また、今日までの本学問体系の流れを学ぶための参考書籍として「実践臨床生殖免疫学/柴原浩章編/中外医学社/2018年発刊」をお勧めいたします。書籍タイトルのイメージと異なり、生物系・基礎医学系の方にもかなり読み応えのある良書です。どうか本学会の発展のために皆様の積極的なご参加をいただきたく何卒よろしくお願い申し上げます。

② 日本生殖免疫学会の会員の皆さまへ

 この度、前理事長の兵庫医科大学の柴原浩章先生の後任として、日本生殖免疫学会の理事長を拝命いたしました。歴代の理事長の先生方のような華やかな活躍はしておりませんが、基礎系研究者として閑かに精子形成と免疫の関連の研究一筋に本学会に関わってまいりました。ウィズコロナ・ポストコロナ時代となり、世の中も学会もあり様が大きく変化していく中での就任となりますが、本学会の継承・発展の一助になるべく尽力いたしますので、何卒ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
さて、本会の編集および広報の担当理事を長い間やらせていただいた関係で、本学会の歴史を振り返る機会が度々あります。最近特に感じていることは本学会で活躍する中心が完全に「第三世代」になってきたことです。「第一世代」は礒島晋三先生、香山浩二先生をはじめとした学会の立ち上げにご尽力された諸先生方による創生期世代、「第二世代」は第一世代より直々に薫陶を受けてきた世代になります。本学会理事長を務められた山本樹生先生、齋藤 滋先生、柴原浩章先生はまさに第二世代の要のメンバーであり、私は第二世代の末席、最後の生き残りにあたります。そして今、様々な研究分野から集まってきた「第三世代」の活躍とアカデミックレベルの高さが本学会を支えております。したがって、本学会において、第三世代にさらなる活躍をしてもらうために何をすべきか、新規参入の研究者の方々をいかに前面に押し出していくか、を考えながら運営に務めてまいる所存です。引き続きまして会員の皆様にはご協力ならびにご支援をいただきたく何卒よろしくお願い申し上げます。


日本生殖免疫学会
理事長 伊藤 正裕
日本生殖免疫学会
理事長 伊藤 正裕
理事長 伊藤 正裕